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建物用途別【建築工事】の【施工管理】のポイントとは?

建築施工管理技士の仕事を知りたい!管理のポイントや就職先の選び方

私達の仕事である建物の建設は、よく一点一点がオーダーメイド等と表現されます。それは建物の構造や用途により間取りや仕上げが異なるのはもちろん、立地条件も一つずつ違うため工法や工程もいつも同じというわけにはいかないためです。

今回は建物の用途別に施工管理のポイントを見ていきましょう。マンションについては別の記事でお伝えしていますので、そちらをご確認ください。

1.工場

建築施工管理技士の仕事を知りたい!管理のポイントや就職先の選び方
建築施工管理技士の仕事を知りたい!管理のポイントや就職先の選び方

まず、計画の工場は『何を作る工場なのか』を必ず確認してください。食品工場、製薬工場、半導体工場などはクリーン度を求められます。汚染ゾーン・非汚染ゾーンという考え方があり、図面上にも記載されていることと思いますが、動線を明確に分けられています。特に水を使用する食品工場では床勾配・天井勾配に注意してください。床の水勾配が悪く、水たまりができてしまうとクレームに繋がりますし、天井勾配が悪く製造ラインに湿気集まった水滴が落ちるなど言語道断です。機械設備工事と協力しエアバランスも要確認です。空気の流れが正しい方向となるよう、建具の気密度を検討してください。外部の庇については鉄骨表し(梁上に屋根のみ)の仕上げの場合、鳥の巣を作られる恐れがあります。軒天を仕上げる提案や、防鳥ネットを張る提案ができると良いと思います。

2.倉庫

建物用途別 建築工事の施工管理のポイント
建物用途別 建築工事の施工管理のポイント

フォークリフトの使用有無、自動倉庫かどうかを確認してください。フォークリフトを使用する場合、外部犬走り部分の勾配をキツく取りすぎるとフォークリフトの走行がしづらくなります。またフォークリフトの運転者は視点が高くなりますので、衝突のおそれがあります。適切な出隅コーナーやガードポールを検討してください。更に、使用されるフォークリフトは電気式かエンジン式かも要確認です。エンジン式の場合は排気ガスが発生しますので、十分な換気を確保しなければなりません。

3.福祉施設

建築施工管理技士の仕事を知りたい!管理のポイントや就職先の選び方
建築施工管理技士の仕事を知りたい!管理のポイントや就職先の選び方

安全性にポイントをおいて施工図を検討してください。安全性では『手すり・手掛かり』がしっかり固定できる納まりになっているかが重要です。車いすから立ち上がるときや、歩行の歳に手すりにぐっと力を掛けて使用されます。トイレのペーパーホルダー等ちょっとしたものも手掛かりとして掴んでしまうことがありますので、内装下地(LGS)に入る前に位置を決定し下地を忘れずに仕込んでください。ボードアンカーでの取り付けでは、使用後の事故に繋がる恐れがあります。

4.厨房

厨房も食品工場等と同様に、まずは汚染ゾーンと非汚染ゾーンの動線確認を行い、次に設置される厨房器具の仕様を確認してください。厨房器具が別途工事で後ほど乗り込みの場合も、吊戸関係の下地を仕込むことを忘れずに行いましょう。天井仕上げはケイカルが多いと思いますが、目地は目透かしか突きつけか設計図をよく確認してください。これは行政の判断(建築指導課や保健所)もありますが、目透かしは衛生的でないと判断されることが多いです。目透かしと記載の場合は監理者に早めに協議して施工図を書くようにしましょう。

今回は建物用途別の施工管理の注意点をお話しました。自分が施工する建物はどんな人がどのように使う建物なのか、大まかに理解することでより細やかな施工管理ができるようになると私は考えます。この考え方は施工管理技士という技術者として、他の人と差をつけることのできる武器になり得ます。日頃から出かけた先の建物を観察し、先人の知恵を学び、施工管理技士としての引き出しを増やしておくと、どんな建物に派遣されても対応できるオールラウンダーに近づけますよ。

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